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天神橋駒鳥シネマ vol.9

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何故オレは今日も疾走(はし)っているのだろうか。

 

 

燃料(ガソリン)をジャブジャブ消費して、車輪(タイヤ)をズルズル擦り減らし、
今夜もオレは峠を攻める。コンマ1秒縮めるために、住まいは四畳半(アパート)、
食事はスーパーの半額弁当(セール)で、その給料のほとんどを愛車(マシン)に注ぎ込む。
そうさ所詮違法な草レース。何の意味があるのかなんて、そんなこと思う暇があるのなら、
このカーブをどう曲がれば速く走れるか、それだけを考える。

多くの友(ライバル)が峠を卒業(ララバイ)していった。
でも、速度(スピード)の向こう側を見るまでは、もう一般人(あちら側)には戻れねえ!

いやぁ、昨日の夜も走った走った。さぁ帰って頭文字◯もビデオでも観ようかな、
それとも湾岸ミッド◯イト一気読みしようかな。
しかし昼間は信号ばっかりで一向に進まねえな……
お?ちょっと遠くてよく見えないけど、こま…なんとかいう映画館で、
なんとかキャノンボールって看板が見えたゾ?

キャノンボールって言えば交通規則なんて無視しちゃって、
公道最速伝説に挑むっていう、非合法レースのことじゃねぇか。

峠の走り屋Dと言われるこのオレ様が、見逃すって手はねえゼ!
とにもかくにもオレは愛車(マシン)を映画館に横付けし、
その何とか鳥って映画館に駆け込んだんだ。

稼ぎの殆どを愛車(マシン)に注ぎ込んでるもんで、
映画なんて観るのは本当に久しぶりだ。
映画代でガソリンがリッター10は入れられるなんて、今はそんなこと気にしない!
この映画はきっとオレの熱い走り屋魂(ソウル)に火(ファイヤー)を
入れてくれるに違いない!

 

お、始まったぞ……なになに、ズボンを履いたままでご覧ください?
どういうことだ?そうか、本来のレースでは軽量化のために服まで脱ぐのか!
さすが映画に出る本物(マジ)の走り屋は違うな!

 

お、女(レースクイーン)も出るのかこの作品。

てか、素人女もたくさん登場?

ナンパ?S◯Xステージ??

そしてこのタイトル……テ、テレクラ!?

 

 

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「なぁバイト君、さっきのお客さんなんやってん?見終わった後、
絶叫しながら飛び出して行きよったで」

 

「あ、館長。なんだか『ナンパじゃー!テレクラじゃー!
オレも速度(スピード)の向こう側でアレを喰らうんじゃー』って言ってましたけど、
あれ見てアレってことはアレですよね……」

「まぁ、ええんやないか。とにかくなんでも
全力で疾走するっちゅうのはええもんやさかいな」

 

「……それなら館長もジョギングでもして、
みっともないお腹ダイエットしたらどうですか?」
 
 

「わしはわしで過酷な『人生』ちゅうレースで疾走中やから
かまへんねん!ガハハハ!」
 
どっちかって言うと『失踪中』じゃ……と思いつつ、
今日も駒鳥シネマも相変わらずの低空飛行でした。

 

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【今月の上映作品】

「劇場版 テレクラキャノンボール2013」(2014)

監督:カンパニー松尾 出演:バクシーシ山下、ビーバップみのる、
神谷まゆ、新山かえで 他

上映時間:132分

 

人気アダルトビデオシリーズ「テレクラキャノンボール」の、まさかの劇場版。
札幌を目指しながら車やバイクなどで競争し、その着順でポイントが与えられる
RUNステージと、出会い系やテレクラ、ナンパなどで素人女性を制限時間内にゲットして、
その行為内容などからポイントが与えられるS◯Xステージなど、全5ステージでの
ポイントを競う、笑いあり涙ありの男たちの真剣勝負。
ええ年した大人の男たちが、勝つためにプライドを捨てて
必死で女の子を口説く姿に、日本って平和だなぁと、
一抹の不安と希望の光が垣間見える、恐るべし怪作となっております。
とにかくバカバカしいのが観たい人にオススメ。

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【登場人物紹介】
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駒鳥サン……天神橋の片隅にある(かもしれない)架空の映画館
「天神橋駒鳥シネマ」の館長。お人好しで涙もろく、
でもちょっぴりおっちょこちょいな、如何にもナニワな感じの、
所謂おっちゃん。AVよりもロマンポルノ派。

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バイト君……いつも人騒がせな支配人に対し、常に冷静でクールなアルバイト。
映画青年。無免許。

 

 

★走り屋D……ドリフトに命をかける、いわゆる峠の走り屋小僧。
小僧と言いつつも、魂(ソウル)って感じの表現が好き。
実家は惜しくもとうふ屋ではなく普通のサラリーマン家庭。

 

 

 

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【執筆者紹介】

村上 淳一

コーヒー淹れたりイベントやったりモノ書いたり喋ったり。

でも本当は駒鳥文庫という映画関連古書店の店主、だったような。

http://komadori-books.jp/

Twitter:@komadoribooks

※FM802 〝BEAT EXPO〟の「水曜エキスポ映画部」にも映画部員として出演中。

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